2000年9月19日
 アンテナをこちらのBBSに向けて立てていると、書くことはいくらでも出てくるものですね。これではなかなか小説が書けません。
 はじめての方いらっしゃいますね。あきさん、神居鈴さん、のあさん、ようこそ。やまのかみさんも、こちらにようこそ。
 南雲堂のHP、開局が遅れていますね。しかし間もなくアップすると思います。
「コナン・ドイツ殺人事件」の噂、なかなか聞こえてきます。ご存知の方も多いと思いますが、ドイル氏はピルトダウン人の頭骨偽造疑惑、降霊術推奨、ボーア戦争の正当化、さらにはコティングリィの妖精写真の信憑性保証、などといった一連の行為で、なかなか評判の悪い人です。しかしこの手の話は著名人に対して割合出てきますので、簡単に信用することはできません。何か言うにはあまりに材料不足です。せめて時期を特定してもらえたら、一定量の発言もできるでしょう。
 彼のこれまでの評判の悪さは、すべて、桁がはずれたほどの愛国心から来ています。そこから考えると、今回の疑惑はちょっと異質です。
 しかしもし研究書が出ているのでしたら、翻訳して出版するのは面白いですね。これによって、翻訳家Pattyさんに、世に出てもらうこともできるでしょう。いかにもあざといものでしたら、私が長文の論考原稿を付ける気分の用意もあります。しかしもし書物が存在しているのなら、早く版権を押さえる必要がありますね。南雲社長はすでに興味を示してくれています。この研究について、何かご存知の方がいたら教えてください。しかしどうも、書物までは出ていないように思われますね。原書房、「ON−LINE季刊」の「ヴァーチャル・ワールド」に、さちみりほさんデザインによる、里美ちゃんの携帯ストラップの3D作品が展示されていますね。なかなか可愛いですよ。是非見にいってみてください。
 友人の弁護士、山下幸夫さんのHPをリンクすることにしました。人権と報道問題を考える硬派のサイトですが、映画から司法を考えるコーナーなど、読みやすくて面白いページもあります。気軽に覗いて考えてみてください。
 houmeiさんのHPのURLも教えてください。今回の司法改革で実現はしないでしょうが、私も陪審制度は日本人に必要であり、わが社会の質を変える近道と考えています。参審制導入でも半歩前進とは思いますが、不充分と考えます。陪審制度は日本人には無理という主張は痛いほどに解りますが、そもそも日本の若者に、創造的で良質なWS文化の構築が可能と言った人がはたして何人いたでしょうか。しかしSSKはできています。ここではもう詳しくは述べませんが、陪審制度に関しては、季刊の創刊号に詳しく展開しています。
 しょうこさん、ご紹介いただいたサイト、覗いてみました。大変よいですね。
 しまさん、お久しぶりですね。大変よいことを言ってくださいました。私もほとんどすべて、この例に賛成です。私が教授なら、真面目にさえ聞いてくれるなら、缶ジュースもパンも食べてもらってかまいません。形式的な行儀演技、尊敬演技なら、別にいりませんね。講義の形態を維持していくに必要な、最低限度の敬意があれば、あとは友人として学生とつき合いたいものです。
 問題は、日本人は抑圧の歴史が長かったので、上が規制のたがをゆるめると果てしなく暴走が起こるということ、先生がにこにことジョークを言い続けると、下はつい反射的に嘲笑してしまう、こういう反動が日本では常に起こるので、上位者はこれが恐いといった事情があります。これはむしろ下位者側の自信の問題、包容力の問題となります。お互いにポイントを押さえた取り決めをやり、これをきちんと守ることをしないと、改革は実現しないわけです。しかし先生の側は、ぼくを嘲笑はしないでくれとは言えないわけですね。そこで笑われるくらいなら、いっそ従来を踏襲、怒って威圧している方が楽だとなるわけです。もうこんな調子で日本は、改革決意から2、30年が経っていますね。
 やまのかみさんも、よいこと言っていただきました。教育問題とは、わが子に少しでも高い教育を受けさせたいという親の努力こそが、誰にとっても最重要課題です。民間のこの競争があるからこそ、結果として国力もあがるわけです。日本人は、高度経済成長時代にあちこちで無理をしましたから、多少行きすぎや、人間性のゆがみも起こりました。しかし次第にこれも克服されていくでしょう。親の欲と、情操教育とを対立する概念とはとらえない方がよいですね。両方をうまく行うべきです。
 アメリカにも同じことがあります。ロスアンジェルスはもっと深刻なことがありますね。地域によっては、パプリックの学校は、学力も治安も最低ということがあるわけです。しかしプライヴェートに入れる金が親にないという時、政府の方でプライヴェートに入れる助成金を出すということもあると聞いています。つまり政府の側も、パブリックの質をあげることをもうあきらめているわけです。
 ここには人種の問題という、日本にはない問題もからみます。これはつまり、好成績の白人子女の親から見れば、白人だけで固まってはいけないという問題なので、ちょっとやっかいなわけです。メキシカンや黒人の生徒が増えると、やっぱり学力水準は下がります。そこで白人の母親たちは、情報網を駆使して、子供のために少しでもよい地区にと、どんどん引っ越します。LAは、全米最低の教育水準というとんでもないデータがあるんです。
 こちらは、日本のように一度住んだらそこに一生いなくては、ということはあまりないです。家の価格も、同程度のものを比較して、LAは東京のまあ1/3から1/4というところ。人情は、エリアさえ間違えなければどこもとてもよいです。放っておいてくれるし、会えば笑顔で挨拶してくれます。近所のひどい陰口に泣かされるというようなことはまったくないです。つまり、自分が嫌なことは人にもしませんね。
 しかしここはハリウッドの国ですから、親たちにけっこうタレント熱があるようにも聞きます。ホワイト・カラーが必死で頑張って、結局ディズニー・プロダクションの企画室なら、最初から子供にディズニーのオーディションを受けさせて、ミッキーマウス・クラブに入れる。するとテレビやステージのショウがあって、頻繁に訓練されます。最近こちらでスターになっているブリットニー・スピアーズとか、クリスティーナ・アギュレラは、みんなここの出身と聞きます。20歳近くなってから急に頑張ってスターに、ということはあまりないようですね。みんな3歳の時から歌っているわけです。
 だからか、ハリウッド地区でローン会社に行っても、不動産業者に会っても、もと俳優、もとミュージシアンという人はやたらに多いです。
 しかしこちらの親は、子供にあまり無理じいはしませんね。そこは日本の親と少し違います。日本の若者に訊くと、どうも親はしようがないもの、馬鹿にするものという常識があるようで、痛々しいです。こちらには、親はうやまうべしと強制する儒教がないので、親は子に対して面子上の緊張がありません。だから親子は完全に友人ですね。非常に、非常にうまく行っている親子が、すこぶる多く感じます。これは学生時代、勉強をしたくなくなった子供には、親がさして強制をしないこととも関係があるように思います。選択肢が多いわけですね。高学歴だけが子供の価値ではないと親は考えているわけです。
 それからこちらの親には、息子が高学歴であっても、自慢する場も、習慣も、それほどないですね。また他人の子が高学歴になっても、それほど本気でうらやましがらないです。まあなんてうらやましいの、と口で言って終わりです。息子が高学歴になっても、利益を得るのは息子の妻と考えているのかもしれません。家が安いので、自分が住む家はもうあるんです。だからそれほど頑張りませんね。
 大阪の財布の話は大変面白いですね。財布に関しては、こちらにもなかなか感心する習慣があります。これはアメリカのいいところでもあるし、人によってはろくでもないと言いそうな部分でもあります。しかし象徴的なので、ちょっと話してみます。
 こちらでは、運転免許証とか、身分証明書入りの財布をなくしても、けっこう返ってくる確率が高いんです。何故かというと、拾った人が、ドライヴァーズ・ライセンスなどが入っているのを見たら、これを郵便ポストに放り込むことをするからです。するとポストマンがこれを手紙と一緒に集め、郵便局に持ち帰ります。こちらの郵便配達人はなかなか柔軟で、配達に来てくれた時、出したい手紙があれば受け取って持っていってもくれます。
 財布を受け取ると郵便局は、局留便のように、取りにくるようにという通知を免許証の住所に出します。それで取りにいくと、財布をくれるわけです。
 ただしこの時、中に入っていた現金は、絶対に入ってはいません。拾ってポストに入れる人が、ティップとして取ってしまうからです。だから落としそうなら、千ドルなど入れない方がよいです。しかしカード社会だから、そんなに大金を入れているケースはまずありません。
 これが日本なら、まず戻りませんね。中のお金を抜く人も少ないかわりに、落とし主のために何かするという人もまた少ないわけです。
 
 
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