任務に呼ばれた時、
 どこで炎が猛威をふるおうとも、
 神よ、私に命を救う力を与えたまえ。

 それが何歳であろうとも、
 幼い子を抱きしめる力を私に、
 それが遅すぎる前に。 
 そして高齢者を、運命の恐怖から救いたまえ。

 警戒できるよう、
 最も弱い叫び声を私の耳に聴かせ、 
 そして迅速に、有効に、炎を消させたまえ。

 呼びかけに応じ、
 私はベストをつくしたい。
 すべての隣人の命と、
 彼らの財産を守るため。
 そしてもしもそれが神の意志なら、
 死の呼びかけにも、私は応えなくてはならない。
 神よその守りの手で、
 私の家族を、そしてすべての人々に祝福を。

 みなさん、明けまして、おめでとうございます。

 リンコさんのNYリポートに現われていた、「ファイヤー・ファイターの祈り」です。
 2003年、911テロを通過した世界は、はたしてどこへ行くのか。イラクは攻撃されるのか。拉致問題の行方は? 北朝鮮の未来は? そしてわが経済は回復するのか。
 いずれにしても、この詩に現われている人間の純粋な思いが、捻じ曲げられて利用されるような世界であってはならないでしょう。この詩を胸に、動向を見守りたいと思っています。
 私は今年もやりますよ。期待していてください。

2003年元旦。     島田荘司。