南雲一範さんへ

2000年11月22日のMail。


南雲さん、
 ギャリックスティール氏の原文、届きました。ありがとうございました。ずいぶん力作のようですね。プロローグだけは読みました。

 この前入れたメイルは読んでいただけましたでしょうか。翻訳を斎藤さんに依頼することには不安がおありと思いますが、大丈夫ですよ。私が全責任を持ちます。

 あらすじの方も、彼女に報告してもらおうと思います。別の人に依頼すると、余分なお金がかかると思いますので。ともかく、彼女の方にもコピー送ってもらいたいと思います。

 この前お電話いただいた時は、あの日だけは歯医者に行っていました。以降はずっと家にいます。いつでも電話ください。

 うまくすれば、この本は南雲堂にとっても悪くないと思います。サイトに情報を刻々流せば、興味を引いて、購買にももっていけると思います。しかし急ぐ必要はあるでしょうね。みなの記憶にあるうちでないとまずいですので。ともかく、なんとしても版権を押さえていただきたいと思います。

 一点答えてもらいたいのですが。この原稿は、すでに本になっているのでしょうか。これは本からのコピーですか? それとも生原稿のコピーでしょうか?

 あれから考えたのですが、21世紀に向け、「SSKノベルス」というものを南雲堂で立ち上げませんか。この「コナン・ドイル殺人事件」か、「パロサイ2」か、私と杉永さんの共作を第一弾とするかは解りませんが、私もできるだけ書くようにしますし、SSKの才能たちを育てて、ここを中心に活動してもらうということです。

 あそこにはなかなか才能が集まっていますから、SSKを第2の新本格とすることも、できない相談ではないでしょう。そして常時10000ずつの実売を出していくことを目指す。当分御手洗だのの名前を出してやっていけば、不可能ではないでしょう。彼らが中心の作品でも、私も何か必ず文章を書くようにします。原書房の攻略本も、なかなかにうまく行っているようですしね。「御手洗世界の音楽散歩」、また「石岡和己攻略本」なんて線もあるでしょうしね。志乃さんもいます。将来の展開のためには、翻訳家も育っていてくれた方がいいです。むろん漫画家もいた方がいいですね。デザイナーも音楽家も、SSKには一応みんな揃っています。

 そのかわり、講談社ノベルス、カッパノベルスなどを凌ぐ、格好よいヴィジュアル(装丁)で迫る必要がありますね。カバーは巻かざるを得ないでしょうが、なんとかアメリカのペイパーバックのような雰囲気を出すものですね。

 このノベルスが発展していけば、氷川さん、柄刀さんなどにも書いてもらえる時が来るでしょう。ちょっと考えてみてください。では。

島田荘司。




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