2001年2月1日
007さん、
いくつか質問にお答えします。まずしゃくてぃさんの関連、サウンド・トラックのことから。この問題は、もう大半解決しているように見えますが、ひとつ残っていると思えることに、考えを述べます。
サウンド・トラックとして選ぶ音楽は、作中時間の1978年を含んで、それ以前に発表された音楽に絞った方がよいと思います。「異邦の騎士」は、すでに「思い出の夏」のような、ノスタルジックな作品群に属していると思います。日本のもので言うと、「神田川」あたりかな。
上野へのかっとびとか、荒川土手ジャンプのシーンなどを支えるリズミックな音楽、スピードの音楽が、はたして当時すでに存在したかがちょっと不安ですが、この頃すでにチックとかマイルス、ラリー・グラハムなど、先鋭的なロックのリズムが現れていたので、充分探せるのではと思います。
志乃さん,結構原稿に追われてらっしゃるようなので、あなたから早めに連絡しておいてあげた方がいいかもしれません。
それから小説の方ですが、こちらが改善の提案を言い、あなたがすぐ直してくれるつもりなら、最低〆きりの2週間前というところでしょう。しかし、今Pattyさんとやっていますが、少しずつ原稿送ってもらって、漢字をどこで遣うか、どこをヒラくか(ひらがなとするか)などを心得ながら書いてもらうという方法は、むろん可能です。Word文書か、TXTファィルで添付して送っていただけたらと思います。Pattyさんは、もう漢字の用法の点は、呑み込んでもらったように思います。
それを1回か2回やったら、あとはもう全部書いてもらって送ってもらうと。というのは、段落を前後させたりといった、構成をいじる可能性があること(これが最も重要と思います)、短編ですから、全部を書くのにそれほど時間はかからないと思えること、などからですね。
〆きりのどのくらい前かというのは、この直しの量によりますね。それから出版の時期を、どれだけ守るかにもよります。できるだけ早い方が、それはむろんよいです。しかしながら、5月発売という計画は、少々厳しいであろうと内心思っています。
ではそんなところで。
島田荘司。 |