2001年5月22日
安藤晃弘様。
島田荘司です。ご無沙汰しています。お元気でしょうか。
現在「パロサイ2」の本文を書いております。007さんと、Room−Sの大改装工事もやっておりますので、毎日時間があっというまにすぎます。朝起きたと思ってふと気づくと、もう夜です。実は今もそうです。1日が14時間くらいになった印象ですね。
本日は、大変失礼な、そしてご迷惑なお願いをしなくてはならなくなり、こうしてメイルを書いています。ご存知の通り、今回の「パロサイ2」もまた、作中作のかたちをとっています。添付ファイルの該当箇所を読んでいただければお解りかと思いますが、この作品は平成10年、1998年の事件に設定していたのでした。そして、パロディ作品を収集していた人物は、96年に自殺したことになっています。御手洗が北欧に行ってしまったのは94年のようです。となると、常識的にはこの収集者が生きているうちにこの作品は書かれている方が自然であり、安藤さんの当作品は、ぎりぎり96年に書かれていると想定する方がいいことになります。そうなるとこの年は、御手洗が横浜を去った2年後ということになります。
作品タイトルを「2年前の選択に対する回答」と変えさせていただくことはできない相談でしょうか。もちろん作中の細かい変更点などは、私が責任をもってやります。また、それをむろん安藤さんご自身にやっていただいてもかまいません。
あるいはまた、「7年前」のままで、未来に書かれたというなかばSFの仕立てにしても、まったく成立が無理と言うことはないでしょうけれども。まあしかし、「2年前」とさせていただければすこぶる自然なので、嬉しいことは嬉しいですね。
最初にこのように、はっきりと時代設定を決めておいてお話をすればよかったのですが、不手際でしたね。お詫びします。どうお感じになるか、お考え,聴かせていただないでしょうか。ともかく、どのようにするにせよ、安藤さんへのご迷惑は最少にしたいと考えています。では。
島田荘司。 |