南雲堂刊、『天に還る舟』のできるまで

天に還る舟に関してのやり取りをご紹介します。
>>これを読まれるのは、作品を読まれてからにすることをお勧めします!<<

Vol.006

小島さん、

 メイル受け取りました。すべてよいですね。首跳ね工作の失敗も、なかなか面白いです。「天に還る舟」の民話、とてもよいできです。斧の話、これは出色のできです。とてもうまく行きましたね。
 しかし1キロも流れるかな。そして1箇所にまとまるかな。川に岩でせきとめられた箇所と、窪みを作るといいですね。そこに斧が溜まっていたということかな。1キロはまあいいでしょう。柄が木なので、浮力の助けが生じますからね。最近はプラスチックかな。

 首跳ねの実験を、アヴックが、光って踊って、水に没する龍を見たように誤認するエピソードもいいですね。しかしそうなら、民話に龍の話も要りますね。主役は別の話に、ちらと龍の姿も見える、というのでもいいですが。
 しかしこの渓谷に、そういう龍の話があるといいですね。でも龍はあちこちにあって平凡だから、大蛇という方がいいですね。

 さて、するとこれでもうできたのではないでしょうか。なんだかすごくなりましたね。これはみんな驚くでしょう。
 あとは、これを網羅して、進行の段取りを、簡単にあらすじに書いてみてくれませんか。すでに書いたものを手直しする格好でもいいです。
 それでOKなら、もう書き始めてください。あなたのためにも、早く出版しましょう。
 この時、登場人物の名前を、もう少し考えるのもいいですね。もっと印象的な名前も欲しいです。今はまだ、ちょっと平板な印象がきます。

 ではあらすじ、待っていますよ。期待しています。

 

島田荘司。