南雲堂刊、『天に還る舟』のできるまで

天に還る舟に関してのやり取りをご紹介します。
>>これを読まれるのは、作品を読まれてからにすることをお勧めします!<<

Vol.009

小島さん、

 よく解りました。完全に理解しました。
 重治は、自分の娘の殺され方に見立てて報復の殺人を行い、これ(娘の殺され方)が秩父民話にたまたま似ていたと、こういうことですね。そして英信は、たまたま似ていた秩父民話をなぞって延長させ、最後の殺人も偽装したと、こういうことですね。
 では中国で重治の娘を殺した者たちの頭には、子供のころ聞かされた秩父民話があった、とする方がいいかもしれません。これは重治は最後まで知らず、たとえば英信は、この構造に気づいていたかもしれませんね。こういうことは、頭においていていいと思います。
 全体、よい考えと思います。では書き始めてくださいね。期待しています。

島田荘司。