島田荘司です。私の全集が、いよいよ第1回配本の運びとなりました。第1巻には、「占星術殺人事件」、「斜め屋敷の犯罪」、「死者が飲む水」という、初期の代表3作品を収録します。3作とも、これを機に大幅改稿をしており、文章はずいぶんすっきりとして、読みやすい印象になっているのでは、と思っています。今後の配本も、初期のものはこうした改訂完全版になります。
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これまでにも全集の話は割合いただいていましたが、どの社のものも、正確には選集というかたちでした。これは偉大な諸先輩方のものも、基本的にはそうなのだというお話です。こういう形態のよさもむろんあり、そういうかたちでの妥協も考えましたが、やはり自分としては、この機会にすべての作品を揃えて読者に持っていていただきたいと思い、南雲堂の計画に賛成しました。したがってこの全集では、全小説作品の完全収録を決行します。全集を出すといっても、これで私の目が過去に向くことはありません。これもひとつの通過点、これまで以上の情熱で前進を続けます。どうぞよろしくお願いいたします。
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